ウイスキー 知識

ウイスキーを毎日飲むとどうなる?適量の飲酒は体に良いは本当?

ウイスキーは銘柄や飲み方によって味わいが大きく異なり毎日飲んでも飽きませんね。
特に近年はハイボールブームで食事と一緒にウイスキーを楽しんでいる人も多いと思います。
「酒は百薬の長」と呼ばれ適量であれば健康効果があるとよく言われますがこれに根拠はあるのでしょうか?
今回はウイスキーを毎日飲むことにより健康被害はあるのか、1日の適量はどれくらいなのかを文献の情報を元に紹介します。

適量を守れば「毎日ウイスキーを飲んでも大丈夫」は条件付き!

結論から言いますと、適量を守れば毎日ウイスキーを飲んでも健康リスクは少なく、むしろ健康面ではメリットがあると言われています。
この事を裏付ける根拠として、飲酒量と死亡率や様々な疾患の発症リスクとの関係を調査した「Jカーブ効果」が有名です。

毎日の適量飲酒で死亡率が減少!?飲酒とJカーブの関係

Jカーブ効果について厚生労働省は以下の様に述べています。

既存の疫学研究から、飲酒量と健康リスクとの関係は様々なパターンをとることが示唆されています。高血圧や脳出血は正比例関係を示すといわれていますが、非飲酒者に比べて少量飲酒者のリスクがむしろ低く、飲酒量が増えればリスクが高くなるというJカーブパターンをとるものもあります。総死亡数・虚血性心疾患・脳梗塞・2型糖尿病などでこのような関係が認められており、飲酒の健康面での利点とされています。

厚生労働省 e-ヘルスネットより

他にも国内の大規模コホート研究により適量飲酒が死亡リスクを低下させるという結果が出ています。

国内の40〜79歳の男女約11万人を9〜11年追跡した結果で、総死亡率では男女ともに1日平均23グラム未満(日本酒1合未満)で最もリスクが低くなっている。

葉石かおり(2019)『酒好き医師が教える最高の飲み方』日経BP社.

ぽふ
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上記の報告をまとめると、適量を摂取する分には死亡率や特定の疾患の発症率は下がるということになります。

毎日の適量飲酒でも発症リスクが高まる疾患がある

しかし、ここで勘違いしてはいけないのはJカーブ効果が認められているのは「先進国の中年男女」であり、疾患の種類によっては少量でも発症リスクが高まるということ。

厚生労働省は少量の飲酒でもリスクが上がるものに高血圧、脂質異常症、脳出血、乳がんを挙げています。これらの疾患は飲酒量に比例して発症するリスクは直線的に上昇していくと報告しています。

ぽふ
ぽふ
これを踏まえると、すでに血圧が高値の人や脂質異常の持病を持っている人は適量であっても上記のような疾患の発症リスクは高まります。Jカーブ効果は全ての人・全ての疾患に当てはまるわけではないので注意が必要です。

毎日飲むウイスキーの適量は?

厚生労働省が推進する「健康日本21」では「節度ある適度な飲酒量」は1日純アルコールで20gとしています。これはウイスキーダブル1杯(60ml)に相当します。また女性は肝臓の容量が小さい、ADH(アルコール脱水素酵素)活性が低い、女性ホルモンがアルコール代謝を弱めるとの理由から臓器障害を起こしやすいため、男性の1/2〜1/3程度の飲酒量が適切だと言われています。

また生活習慣病のリスクを高める飲酒量については以下のように報告しています。

男性では44g/日(日本酒2合/日)程度以上の飲酒(純アルコール摂取)で非飲酒者や機会飲酒者(たまにしか酒を飲まない者)に比べて危険性が高くなります。また女性では22g/日(日本酒1合/日)程度以上の飲酒で、危険性が高くなります。

厚生労働省 e-ヘルスネットより

ぽふ
ぽふ
これは男性ではウイスキーダブル2杯、女性では1杯に相当します。こう考えると健康に影響を及ぼさないためにもウイスキーの1日の摂取量はダブル1杯(60ml)までに留めて置くことが無難ですね。

正直自分にとってこの量は物足りないけど、何かの疾患を患って一滴も飲めなくなったら元も子もないですからね。毎日の飲酒量はしっかりと管理して今日は飲む!と決めた日に思いっきり楽しめば良いですね。

まとめ

今回はウイスキーを毎日飲酒することのメリットやデメリットをはじめ、1日の適量について紹介しました。
適度の飲酒が健康面において良いとする報告はありますが、ウイスキーは他のアルコール飲料に比べアルコール度数が高く、飲み過ぎが健康に悪影響を及ぼすことは言うまでもありません。
1日の適量を守って健康的にウイスキーライフを楽しんで行きましょう。