スーパーやコンビニでも様々な銘柄のボトルを見かけるようになり、一度は手に取り自宅でウイスキーを楽しんでいる人も多いのでは?
自分は二十歳からお酒を飲む時はビールと決めていましたが、ウイスキーに出会いその芳醇な香り・味わいに魅せられ今ではウイスキーを飲む事が趣味に。ちなみに上のウイスキー棚の画像はこれまで自分が購入したウイスキーボトルの一部です。
今回はこれからウイスキーを趣味にしたいと考えている人に向けて、ウイスキーの産地や
種類、それぞれのおすすめ銘柄を紹介します。
ウイスキーを趣味にするための基礎知識
- ウイスキーの産地
- ウイスキーの種類
ウイスキーを趣味にするための基礎知識①ウイスキーの産地
ウイスキーの産地は以下の5つに分けられます。
- スコットランド
- アメリカ
- アイルランド
- カナダ
- 日本
各産地によるウイスキーの特徴を簡単に紹介していきます!
スコットランドウイスキー(スコッチ)
スコットランドで作られるウイスキーはスコッチと呼ばれ、世界のウイスキー消費量の
約6割り近くを占めています。
スコットランドの蒸溜所の数は100以上、シングルモルトの銘柄は200近くになります。
近年でも新たな蒸溜所が続々と建てられており世界のウイスキー業界を牽引する存在でも
あります。
スコッチの定義は
- 水、酵母、大麦麦芽をはじめとした穀物を原料とする
- スコットランドの蒸溜所で糖化、発酵、蒸留を行う
- 容量700L以下のオーク樽に詰める
- スコットランドの倉庫で3年以上熟成させる
- 水とスピリットカラメル以外の添加はしてはいけない
- アルコール40°以上で瓶詰めする
スコッチの特徴は何と言っても地域・蒸留所ごとに味わいや風味が
大きく異なること。
ウイスキーの味わいはその産地の自然環境や風土の影響を強く受けます。
スコッチの生産地区ははスペイサイド・ハイランド・キャンベルタウン・アイラ・アイランズ・ローランドの6つに分類され、地域ごとに自然環境が大きく異なりその味わいも多種多様です。
産地別の味わいの特徴をまとめました。
スペイサイド | 花の様なフローラルで華やかな風味が特徴で、バランスに優れた銘柄が多く初心者でも親しみやすい。 |
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ハイランド | まろやかで飲みやすいのが特徴。 面積が広く個性豊かな蒸留所が点在している。 |
キャンベルタウン | ウイスキーの原料である大麦麦芽の香りを強く感じられる。 ブリニーと表現される塩辛さが特徴。 |
アイラ | スモーキーさが特徴で「正露丸」「薬品の匂い」と表現されます。 アイラ島で作られる銘柄は非常に個性的で好き嫌いがはっきり分かれます。 |
アイランズ | 蒸留所ごとに個性がはっきり分かれ共通な特徴はない。 |
ローランド | 穏やかで飲み口の軽いライトタイプの銘柄が多い。 |
・スペイサイドでおすすめの一本「グレンフィディック12年」
グレンフィディックはウイスキーの入門にピッタリだと言われています。製造している蒸留所はシングルモルトを世界で初めて発売したことで知られるグレンフィディック蒸留所。
このボトルはグレンフィディックシーリズの中で一番スタンダードなもので、とても甘く
フルーティな香りが特徴です。飲み口も軽く、飲み手を選ばないウイスキーです。
・ハイランドでおすすめの一本「グレンモーレンジィ オリジナル」
このボトルの魅力は口当たりの良い、なめらかな味わいで女性にも人気が高い一本。
爽やかなレモンやオレンジの柑橘、バニラの様な甘い香りが特徴です。個人的にはハイボールにして、氷や炭酸水と混ぜ合わせると新たなフレーバーが広がりおすすめです。
・キャンベルタウンでおすすめの一本「スプリングバンク10年」
「モルトの香水」と称され瓶を開けた瞬間に立ち上がる芳醇でスイートな香りが印象的。
複雑で厚みのあるハチミツやオレンジの甘みの後に残るブリニーさ(塩辛さ)が特徴。
ロックやハイボールにしても味わいは損なわれず、むしろ加水することで香りが一気に広がるのでおすすめです。
・アイラ島でおすすめの一本「ラフロイグ10年」
厚いボディでスパイシー・薬品の様なクセのある香りが特徴ですが、飲み進めると熟した果実の甘みもしっかりと感じられます。ラフロイグはその味わいから、好きか嫌いかがはっきりと分かれます。そうゆう点では飲み手を選ぶウイスキーだと言えますが、アイラ島のウイスキーの特徴を知るにはおすすめの一本です。
・アイランズでおすすめの一本「タリスカー10年」
しっかりとしたスモーキー・ピートを感じ、黒胡椒の様なスパイシーさが特徴。
潮や磯の香り、煙たさととても個性的で箱に描かれる大波の印象そのもの。
ストレートはもちろん、ハイボールやロックなどどんな飲み方をしても絶品。
価格も3000円台でシングルモルトとしては決して高くはないのでデイリーウイスキーとしてもおすすめ!
アメリカンウイスキー
アメリカンウイスキーと聞くと最初に思いつくのは「バーボン」ではないでしょうか?
たしかにバーボンはアメリカで作られるウイスキーの代表格と言えますが、アメリカンウイスキーには他にも様々な種類のウイスキーが存在し、その種類によって蒸留方法や原料の比率が細かく定められています。
まずアメリカンウイスキーの定義は
- 穀物が原料である
- アルコール度数95%以下で蒸留
- オーク樽で熟成
- アルコール度数40%以上でボトル詰めすることです。
原料の違いによるアメリカンウイスキーの種類は表の通り!
バーボンウイスキー | トウモロコシを51%以上使用 |
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ライウイスキー | ライ麦を51%使用 |
ホイートウイスキー | 小麦を51%使用 |
コーンウイスキー | トウモロコシを80%以上使用 |
モルトウイスキー | 大麦麦芽を51%以上使用 |
今回は比較的手に入りやすく、アメリカンウイスキーの入門にオススメの銘柄を紹介します!
バーボンでおすすめの一本「フォアローゼズ」
フルーティで薔薇のようなフローラルな香り・ライトでまろやかな飲み口が特徴。
とても飲みやすく価格もリーズナブルなため、バーボンの入門編にぴったりなボトル。
加水すると花のフローラル感がさらに開くためロックやハイボールで飲むのがおすすめ!
・ライウイスキーでおすすめの一本「ワイルドターキー ライ」
原料のライ麦の比率が51%以上でスタンダード品のワイルドターキーよりも長い4〜5年熟成の原酒を使用。
ライ麦比率が高いためバーボンよりも甘さは控えめで、スパーシーな味わいが特徴。
絶大な人気を誇るワイルドターキーの原酒を使用しており、酒質はとても上品でライウイスキーの入門におすすめ!
アイリッシュウイスキー
アイルランドで作られるウイスキーはアイリッシュウイスキーと呼ばれます。
アイリッシュウイスキーは、単式蒸留機により3回の蒸留を行い、スモーキーさはなく
とてもなめらかでフルーティで落ち着いた味わいで、いい意味で特徴がなく
万人受けするウイスキーだと言えます。
アイリッシュウイスキーの定義は
- 穀物を使用する
- 麦芽に含まれる酵素・酵母の力で糖化・発酵をさせる
- アルコール度数94.8%以下で蒸留する
- 木製の樽に詰める
- アイルランド、北アイルランドの倉庫で3年以上熟成させる
・アイリッシュウイスキー(ブレンデッド)でおすすめの一本「タラモアデュー」
原料である大麦をはじめとする穀物の芳醇な味わいを楽しめるタラモアデューのスタンダード品。
アイリッシュウイスキーの中でも特にフルーツ感・バニラの様な甘みを味わえるボトルです。熟成年数の若さを感じさせないバランスの良さで、ロックでも水割り、ハイボールでも楽しめます!
カナディアンウイスキー
カナダで作られるウイスキーはカナディアンウイスキーと呼ばれ、スコッチに次ぐ第二位のウイスキー生産量を誇ります。
カナディアンウイスキーの定義は
- 穀物が原料で、麦芽で糖化、酵母で発酵すること
- 容量700L以下の木樽で3年以上熟成する
- アルコール40°以上で瓶詰めする
- カラメルやフレーバリングの添加はしても良い。
カナディアンウイスキーは、「フレーバリングウイスキー」と「ベースウイスキー」に分類され、現在消費されているほとんどの銘柄がこの両者を混ぜ合わせた「カナディアンブレンデッドウイスキー」です。
それぞれのウイスキーの特徴は以下の通り!
フレーバリングウイスキー | ライ麦、トウモロコシ、ライ麦、大麦などを主原料とし1塔式連続式蒸留機で64〜75%まで蒸留します。スパイシーで深いコクが特徴。 |
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ベースウイスキー | トウモロコシが主原料。フレーバリングウイスキーに比べ口当たりが軽くクセがないのが特徴。 |
カナディアンブレンデッド ウイスキー |
フレーバリングウイスキーとベースウイスキーを1:3程度でブレンドしたもの。 |
・カナディアンブレンデッドウイスキーでおすすめの一本「カナディアンクラブ」
「C.C」と呼ばれ愛されるカナディアンウイスキーのトップブランドです。
とてもライトなボディですが、バニラの甘みの奥にプラムや柑橘系のフルーツの香りがしっかりと感じられます。
ハイボールやロックも美味しいですが、セブンアップやジンジャエールなど甘い炭酸飲料で割って飲むのもおすすめです。
カナディアンウイスキーのみならず、今からウイスキーを飲み始めたいと考えている人におすすめのボトルです!
ジャパニーズウイスキー
ジャパニーズウイスキーが生まれたのは20世紀に入ってからとまだ歴史は浅いですが、近年では世界的なコンペティションで数多くの銘柄が金賞を受賞しており、世界的にも莫大な人気を誇ります。
ジャパニーズウイスキーはスコッチを手本に生まれたため味わいは似たものがありますが、スコッチの様に製造に関する細かい規定はありません。
そのため各メーカーが独自のブレンド・蒸留を行っており蒸留所ごとの特徴が色濃く出ます。
ジャパニーズウイスキーの定義は
- 発芽させた穀物、水を原料とする
- 糖化・発酵させたアルコール含有量を蒸留したもの
- 蒸留はアルコール95%未満
- 上記にアルコール、スピリッツ、香味料、色素または水を加えたもの
ウイスキーを趣味にするための基礎知識②ウイスキーの種類
これまで紹介した様に原産国・穀物の種類によって多種多様なウイスキーが存在します。
そのため、ウイスキーは複雑で何だかハードルが高いと感じてしまう人も多いと思います。
今回はそんなウイスキーのイメージを払拭するために基本的な三大カテゴリーをまとめました!
シングルモルトウイスキー | 一つの蒸溜所のみで作られるもの。大麦麦芽(モルト)のみを原料とし、単式蒸留器で蒸留される。蒸溜所の特徴が色濃く出て、その味わいは多種多様。 |
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グレーンウイスキー | とうもろこし、ライ麦、小麦などの穀物が原料で、連続式蒸留機で蒸留するのが特徴。シングルモルトに比べると穏やかな香りで飲みやすいのが特徴。 |
ブレンデッドウイスキー | モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜて瓶詰めしたもの。スコッチの生産量の8割以上を占めている。 |
・ブレンデッドウイスキーでおすすめ「シーバスリーガル12年」
世界200ヶ国以上に国と地域で販売されているシーバスリーガルのスタンダード品。
バニラや熟したりんご、はちみつの様な香りが特徴で、クリーミーでまろやかな舌触りが印象的です。
ブレンデッドウイスキーらしく穏やかでまろやかな味わいで、個人的にはストレートでごくごく飲めてしまいますが、アルコール感が気になる方はロックやハイボールで飲むのがおすすめ!
まとめ
今回はウイスキーをこれから趣味にするための基礎知識としてウイスキーの産地・種類、それぞれの代表的な銘柄を紹介しました。
ウイスキーは銘柄やボトルの数が多く、どれから手を出していいか分からなくなりますね。そんな時は産地や種類による味わいや香りの特徴を抑え、まずは自分がどんなウイスキーを美味しいと感じるのかを発見していく事が大切です。
少しずつウイスキーの知識を増やし、一生の趣味として楽しみましょう!