近年日本でもウイスキーの消費量は年々増大しています。
宴会でハイボールを飲んだり、Barで様々なボトルや飲み方を試している方も多いのでは!
私もウイスキーボトルを購入して自宅で楽しんでいますが、美味しいあまり飲みすぎてしまうことも。
そんなウイスキーの健康効果をメリット・デメリットに分けて紹介します。
ウイスキーの健康効果 4つのメリット
- ストレス緩和
- ポリフェノール酸による抗酸化作用がある
- 糖質0でカロリーが低い
- 尿酸値濃度を下げる
まず初めにウイスキーがもたらす健康効果に関する4つのメリットを文献や書籍の情報を元に紹介します。
ウイスキーの健康効果 メリット①ストレス緩和
近年、ウイスキーの香りには、心拍変動解析で評価した副交感神経活動を亢進させる作用や、鎮静作用があることがヒトで報告されている。
好田裕史(2018)「ウイスキーの香り刺激後の体温変化と眠気に関する予備的研究」,『日本栄養・食糧学会誌』71(5),p.243‐250
自立神経は交感神経と副交感神経に分けられ、基本的にリラックスしている時や睡眠中は副交感神経が優位に働いています。
ウイスキーの香りを嗅いだ時もこの副交感神経の働きが増大すると報告されています。
ウイスキーの香りの中には、GABA受容体を活性化する成分のあることが知られ、ストレス緩和作用をもつことが知られている。
輿水精一(2014)「ウイスキーの”生まれ”と”育ち”」,『MEDCHEM NEWS No4 NOVEMBER 』,p.51-52
GABAは人の体内で主要な抑制性の神経伝達物質として作用している。
血圧上昇の抑制・ストレス緩和作用などがあるとされており、ウイスキーの香りはこのGABA受容体を活性化させる働きがあるとされています。
ウイスキーの健康効果 メリット➁ポリフェノール酸による抗酸化作用
ウイスキーは樽で熟成される前は無色透明でこの時点ではポリフェノール酸は含まれていません。蒸留直後の無色透明な蒸留液はニューポットと呼ばれ、樽に詰めて熟成する過程で、樽に含まれるポリフェノールや色素成分が溶け込み、ウイスキーは琥珀色に変化していきます。
ウイスキーはSOD様活性だけでなく、POD様活性も強い。活性酸素消去能の活性はウイスキーコンジェナーによるもので、とくに、タンニン由来のエラグ酸、没食子酸、リグニン由来ののリオニレシノール、シリングアルデヒド、バニリンの順で活性酸素の消去に寄与している。
古賀邦正(2019)『ウイスキーの科学』講談社.
活性酸素の蓄積はがん、心血管疾患、生活習慣病など様々疾患を発症する要因になると言われています。この活性酸素を消去する酵素としてSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)、POD(ペルオキシダーゼ)などが知られています。
特に汎食子酸・エラグ酸・タンニン酸は「ウイスキーポリフェノール」とも呼ばれ体内の活性酸素を消去し、アンチエイジング効果があると言われています。
ウイスキーの健康効果 メリット③糖質0でカロリーが低い
厚生労働省が「健康日本21」の中で「節度ある適度な飲酒量」は一日あたり純アルコールで20ℊ程度としています。これはウイスキーダブル1杯(60ℊ)に相当します。
この基準に当てはめた他のアルコール飲料のカロリーは以下の通り。
ウイスキー(60ml) | 142kcal |
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ビール(500ml) | 200kcal |
日本酒(1合) | 185kcal |
焼酎(110ml) | 205kcal |
ワイン(200ml) | 143kcal |
(文部科学省 食品データベースを参照)。
ウイスキーの健康効果 メリット④尿酸値濃度を下げる
健常男性を対象に飲酒時の尿酸代謝動態をビール、焼酎、ウイスキーで比較した研究では以下のように報告しています。
ビールは尿酸値を13.6%上昇させたが、焼酎とウイスキーの飲酒時は上昇は見られなかった。またウイスキー飲酒時には焼酎に較べて2、3%だけ血清尿酸値は低下した。
諏訪 芳秀(2014)「ウイスキーコンジェナーの作用プロファイル」,『日本生物工学会大会講演要旨集 』
ウイスキーの健康効果 デメリット アルコール度数が高く飲み過ぎには注意が必要!
ウイスキーは糖質やプリン体が少なく、太りにくい・痛風になりにくいといったメリットはありますが、他のアルコール飲料に比べアルコール度数が高いのも特徴の一つだと言えます。
アルコールの過剰摂取は、高血圧・肥満・糖尿病・脂質異常症など生活習慣病のリスクを高めるだけでなく発がん性もあるとされています。
厚生労働省多目的コホート研究 (2005年)ではアルコールと発癌リスクについて以下の様に報告しています。
男性に発生した癌全体の13%が週300g以上の飲酒に起因すると概算されています。日本の疫学研究では、46-69g以上の飲酒は癌全体の死亡リスクを高める。
厚生労働省 e−ヘルスネットより
まとめ
ウイスキーに関する研究は年々進んでおり、その効果効能も明らかとなってきいます。
しかし今回紹介したメリットはあくまで適量の飲酒を守っていることが前提です。
ウイスキーはアルコール度数が高く、飲み過ぎれば人体に悪影響を及ぼすことは言うまでもありません。
これからも健康を気遣いながらウイスキーライフを楽しみましょう!